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家庭でも健康経営を意識しよう
経済産業省では、健康経営に係る各種顕彰制度として、平成26(2014)年度から「健康経営銘柄」を選定し、平成28(2016)年度には「健康経営優良法人認定制度」を創設しています。私は保険会社と一緒に地元企業の健康経営優良法人認定のサポートをしています。毎年申請するたびに企業の従業員に対する健康意識が向上し、同時に従業員の健康意識も高まっています。禁煙率や健康診断受診率の向上につながり、また就活生の応募理由に「健康経営優良法人だから」と記載されていたなど、認知度も広がっています。
それでは、健康経営優良法人に認定される要件の主な項目に注目してみましょう。
(1)従業員の健康課題の把握と必要な対策の検討
主に健康診断受診率、受診勧奨に関する取り組みやストレスチェックの実施
(2)健康経営の実践に向けた土台づくり
適切な働き方の実現に向けた取り組み、コミュニケーションの促進やワークライフバランス、病気と仕事の両立など
(3)従業員の心と身体の健康づくりに関する具体的対策
食生活改善や運動機会の増進に向けた取組み、女性の健康保持・増進に向けた取り組み、長時間労働者への対応に関する取り組み、メンタルヘルスへの取組み、感染症予防に向けた取り組み、喫煙率低下や受動喫煙に向けた取組み
などがあります。
また経済産業省「平成28年度健康寿命延伸産業創出推進事業(健康経営・健康投資普及推進等事業)」が、就活生及び就職を控えた学生を持つ親に対して就職先に望む勤務条件等についてアンケートを実施しました。以下アンケート結果です。
■就活生に対して
質問:将来、どのような企業に就職したいか(3つ)
1位:福利厚生が充実している(44.2%)
2位:従業員の健康や働き方に配慮している(43.8%)
3位:企業理念・使命に共感できる(38.1%)
■就活生の親に対して
質問:どのような企業に就職させたいか(3つ)
1位:従業員の健康や働き方に配慮している(49.6%)
2位:雇用が安定している(44.5%)
3位:給与水準が高い(31.3%)
40%以上の就活生とその親が「従業員の健康や働き方に配慮している」と回答しています。親子共々従業員の健康や働き方の配慮を雇用先に望むなら、家庭でも実践できることがあるのではないでしょうか。
たとえば
・家族内で健康診断結果を共有し、指摘されている項目に関して再検査を受けるよう促す
・食生活の見直しや脂質・糖質を控えるメニューを一緒に考える
・運動不足なら日々の生活に運動を取り入れる方法を考える
・禁煙に関しても受動喫煙を学び考える
このようなことを話し合う機会が家族内コミュニケーションの促進につながります。真の健康とは職場と家庭の双方での心と体の健康でしょう。ぜひ家庭でも「健康経営優良家族」を目指しましょう。
田中 美子(たなか よしこ )
CFP®認定者
1級ファイナンシャル・
プランニング技能士
TLC(トータルライフコンサルタント)副称号:生命保険協会認定FP
損害保険上級資格
DCプランナー2級
キャリアコンサルタント