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2022年からの医療保険の改正
【2022年1月から】
1.傷病手当金の支給期間の通算化
傷病手当金の支給期間は、「支給開始から1年6ヶ月」だったものが、「支給日の日数を通算して1年6ヶ月」に変わっています。
2.任意継続被保険者制度の変更
任意継続被保険者制度で、被保険者からの資格喪失の申請が認められるようになりました。
また、健康保険の任意継続被保険者の保険料の基礎となる標準報酬月額について「健康保険組合が規約で定めた額」とすることが可能になりました。
3.出産育児一時金金額の見直し
産科医療補償制度の保険料引き下げに伴い、産科医療補償制度に加入していない病院等で出産した場合の「出産育児一時金および家族出産育児一時金の金額」が「408,000円」となっています。
【2022年4月から】
4.不妊治療の保険適用
不妊治療の保険適用範囲が次のように広がっています。保険適用範囲の拡大に伴い、従来あった不妊治療助成制度は廃止されています。
<新たに保険適用となった治療法>
精子を取り出し子宮内に注入する「人工授精」、精子や卵子を採取し受精させたあと体内に戻す「体外受精」、注射液などを使って卵子に精子を注入する「顕微授精」など
<対象>
・不妊症と診断された男女(事実婚を含む夫婦)
・治療開始時点で女性が43歳未満であること
・保険適用となる治療回数は子ども1人につき、女性が40歳未満では最大6回、40歳以上43歳未満では最大3回
【2022年10月から】
5.75歳以上の医療費の窓口負担の引き上げ
現在75歳以上の方の窓口負担は、現役並み所得者3割、それ以外の人(一般)は1割ですが、2022年10月から一般の人のうち、一定の所得がある人の負担が2割に引き上げられます。
現在1割の人が2割になるのは、次のような場合です。
<単身世帯の場合>
「課税所得が28万円以上」
かつ「年金収入+その他合計所得金額が200万円以上」の場合
<夫婦世帯の場合>
「世帯に75歳以上で課税所得が28万円以上の人がいる」
かつ「年金収入+その他合計所得金額の世帯合計額が320万円以上」の場合
現役並み所得の人はこれまで通り、3割負担です。
6.育児休業中の保険料免除期間の見直し
保険料免除期間の要件に「月末に育児休業中であること」というものがありましたが、それが見直されて、月末に育児休業中でなくても適用されます。
つまり、「その月内に通算14日以上の育休を取得した場合」には育休中の保険料免除期間となります。
山田 静江(やまだ しずえ)
CFP ファイナンシャル・プランナー
生活経済研究所®長野 研究員
日本FP協会埼玉支部 副支部長