全員
平成バブル崩壊の呪縛から解き放たれる日も近い?
その後、バブル経済が崩壊し、3年足らずの間に日経平均は15,000円を割り込む水準まで下がりました。それから約25年間(1992年~2017年)、日経平均は約1万円から約2万円の間で長期間の「もみ合い状態」に入りました。その間の最安値は7,000円弱、最高値は22,000円強でした。
そして、2009年から2010年あたりのリーマンショック後の回復の流れに乗って、少しずつ株価も上昇し始め、2018年あたりから「もみ合い状態」から上に抜ける雰囲気が出てきつつも、2020年に入るころまでの約2年、2万円台前半で推移していました。
2020年に入り、3月の新型コロナショックとも呼べる急落がありました。1月の高値24,115円から計算すると、3月の安値16,358円は、32%ほどの下落です。
しかし、このショック的な下落が結果としてはいいきっかけとなり、日銀による大規模な金融緩和策による「お金余り状態」を後ろ盾に、8ヶ月後の2020年11月には一気に25,000円台を突破し、翌2021年2月には約30年ぶりに3万円の大台に達します。
それから約2年の間、日経平均は25,000円から3万円の間のボックス相場を形成します。そしてついに、2023年5月、そのボックスを上に抜けていきます。6月には約33年ぶりに33,000円台に回復する動きになりました。
平成バブルのピーク38,915円までは、残り約5,000円。近いようでまだ遠い感じもしますが、1989年当時を調べてみると、1月4日の大発会の始値は30,165円でした。そこから年末の38,915円まで、1年間で3割近い上昇を記録したのです。
そう考えると、現在の33,000円前後から2割強の上昇にあたる初の4万円台という水準も、決して夢のような水準ではないことがわかってきます。もちろん、実体経済の回復や成長が見えてこないと、日経平均4万円台突破はなかなか現実のものにはならないかもしれません。
しかし、日経平均の月足チャートで見た直近10年間の株価上昇トレンドの美しさからすると、日経平均が4万円を突破する日も、そう遠くはないような気がしてしまうのです。個人的かつ希望的な観測が多分に含まれてはいますが。
ちなみに、平成バブルのピークだった1989年12月末から、毎月1万円で日経平均株価に積立投資していたとすると、2023年6月末までの403ヵ月の平均購入単価は15,255円となっています。6月末の終値33,189円で計算すると、403万円が877万円になっている計算です。これは、年4.2%の積立運用に相当します。
まだ平成バブルにピークの株価水準には戻っていないのに、投資資金は2倍以上に増えている。やはり、毎月一定額ずつ積立投資をしていくドルコスト平均法は、それなりに有効であることがわかります。資産形成のために重要なのは、とにかく続けること。それとリスク分散。日本株の上昇を期待しつつも、集中投資はせず、他の資産にも分散するのが無難でしょう。
菱田 雅生(ひしだ まさお)
CFPファイナンシャル・プランナー
生活経済研究所®長野 提携講師
1級FP技能士
1級DCプランナー、
住宅ローンアドバイザー
確定拠出年金教育協会 研究員
アクティブ・ブレイン・セミナー マスター講師