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NISA口座で金融機関を変更する場合、選択肢は２つある
例えば、Ａ証券からＢ証券にNISA口座を変更したい場合、
① Ａ証券のNISA口座を廃止し、Ｂ証券のNISA口座を開設する
② A証券のNISA口座はそのまま残し、Ｂ証券にNISA口座を開設する
の２つの選択肢があります。
当初は①の選択肢しかありませんでしたが、今はＡ証券にNISA口座を残したまま、新たにＢ証券でNISA口座を開設するという②の選択肢も可能です。ただし、同じ年に２つの金融機関のNISA口座を利用できるわけではなく、あくまでも年単位での変更になります。つまり、同じ年に稼働している（投資できる）口座は１つです。
➀と②はどう違うのでしょうか。
例えば、2019年から2023年までＡ証券のNISA口座で投資を行い、2024年からはＢ証券に変更したとします。
➀の場合、Ａ証券のNISA口座は廃止となり、NISA口座は１つになります（Ｂ証券のみ）。
②の場合、Ａ証券のNISA口座は維持したまま、翌年からＢ証券のNISA口座の非課税枠を利用することになります。この際、Ａ証券で保有している投信などをすぐに解約する必要はなく、そのまま非課税期間内（つみたてNISAは20年、一般NISAは５年）はそのNISA口座で運用を続けられます。その間に、株式や投信を解約した場合はもちろん非課税です。2つの金融機関にNISA口座を持つことにはなりますが、このケースでは2024年以降に投資できるのはＢ証券だけです。
●手続きは今NISA口座がある金融機関への連絡から
では、変更するにはどのような手続きをすればよいでしょうか。
金融機関を変更するには、いまNISA口座のある金融機関（このケースではＡ証券）に連絡をし、NISA口座を他の金融機関に変えたい旨を連絡します（ウェブ上で申し込む、コールセンターに電話する、対面で申し込むなど金融機関により異なります）。
Ａ証券のNISA口座を廃止し、Ｂ証券のNISA口座を開設する場合は、非課税口座廃止届出書を提出し、「非課税口座廃止通知書」入手します。②Ａ証券のNISA口座はそのまま残し、Ｂ証券にNISA口座を開設する場合には、Ａ証券に「金融商品取引業者等変更届出書」を提出し、「勘定廃止通知書」を受け取ります。
そして、新たにNISA口座を開設したい金融機関（Ｂ証券）にNISA口座の申込書類を請求し、Ａ証券から受け取った「非課税口座廃止通知書」もしくは「勘定廃止通知書」と、「非課税口座開設届書」や本人確認書類と一緒に提出します。Ｂ証券と税務署の審査が完了すると、Ｂ証券にNISA口座ができます。
最後に、万一他の金融機関で受け取った「勘定廃止通知書または非課税口座廃止通知書」をなくしてしまった場合はどうしたらよいでしょうか。その場合には、再発行は可能ですので、再度Ａ証券に発行してもらいましょう。また、「以前、頼まれてどこかの金融機関でNISA口座を開設した気がするが、どこだかわからなくなってしまった」などという方は稀だとは思いますが、自分がどの金融機関でNISA口座を開設しているかは税務署で確認できます。2023年5月からはe-Taxで確定申告をしている場合、e-Taxでも確認できるようになりました。
竹川 美奈子（たけかわ みなこ）
ファイナンシャル･ジャーナリスト
LIFE MAP,LLC代表