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知っておきたい がん保険のキホン

日本人の2人に1人が、がんに罹患すると言われています。しかし昔と違って治すことができる時代でもあります。生活習慣病のように治療をしながら長く付き合っていく病気になりつつあるのではないでしょうか。ただ他の病気より治療方法によっては費用がかかり、仕事に行けない期間が長くなることもあり経済的な不安をお持ちの方も多いと思います。今回はがんの治療方法とがん保険の基本的な保障内容と仕組み等をお伝えしたいと思います。

■がんの3大治療
①手術
②放射線治療
③化学療法(抗がん剤・ホルモン剤治療)

がんと診断確定されると、上記①~③が基本的な治療となります。その後通院しながら経過観察をしていきます。再発や転移がないかの検査のための通院となります。会社のサポートや家族の協力も必要ですね。

■がん保険の仕組み
①免責期間(不担保期間)があります。
死亡保障と医療保障などと違う点は、契約してから一般的には90日(3カ月の保険会社もあり)経過後に保障開始となります。しかし契約は成立しているので保険料は支払わなければなりません(一部、不担保期間中の保険料は不要の保険会社あり)。

②免責期間中にがんと診断確定されたら?
基本的には契約は無効になり、支払った保険料は返還されます。
ただし加入時にがん罹患の事実やその疑いを隠していた場合、免責期間中にがんと診断されると、「告知義務違反」として契約が解除され保険料の返還はありません。一方で、もし保険会社がその事実をすでに知っていた場合や、過失により知らなかった場合、または保険募集人が不告知教唆を行った場合には、保険会社が契約を解除できないことがあります。どの保険種類もそうですが契約時の健康告知はとても大事であることを知っておきましょう。

③免責期間中に健康診断でがんがみつかったら?
保険会社は診断書に書かれた「診断確定日」で判断します。「診断確定日」が免責期間中であれば無効となります。この場合は保険会社に連絡しましょう。免責期間中に健康診断の予定が入っている方は、健康診断を受診しがんに罹患していないことを確認してから契約することをお勧めします。

➃がん保険を見直す時の注意点
新たな保険に免責期間があるため、旧のがん保険は新たな保険の保障が開始するまで継続しましょう。万が一空白の期間にがんがみつかってしまったら、新旧双方から給付してもらえません。なお同じ保険会社で見直す場合は「条件付解約」という制度があり、旧の保険に戻してくれる保険会社がありますので、良く調べてから見直ししてください。

⑤がん保険って必要なの?
がんは他の病気と比べると費用がかかります。また再発・転移などのリスクもゼロではありません。最初の治療方法以外に、保険対象外の薬や自由診療抗がん剤治療なども必要になる場合があります。このような治療でも入院することなく通院で行われることが多くなっており、安心して治療を受けていただくように各社商品開発をしています。

【保障例】
〇主契約が治療給付金月額10万円∔特約で診断一時金50万円
〇主契約が診断給付金50万円∔特約で治療給付金月額10万円
診断給付金は1年に1回、治療給付金は無制限(一部回数制限がある保険会社もあり)という保障内容が主流でがん先進医療や患者申出療養特約2,000万が特約で付加できます。もちろん主契約だけの契約でも可能です。
30歳男性、上記プランで60歳払済、終身保障の場合、多くの保険会社が月々3,000円前後、
保険料払込総額108万円となります。がんに罹患するかどうかわからないから積立した方がいいと考えられる方も多いですが上記保障はありません。個々の価値観での判断となろうかと思いますが、治すための保険だと前向きにとらえて頂けたら幸いです。

最後に病気を治すのは医師とのコミュニケーションが大事。是非信頼でき話を聞いてくれる医師と出会い治療をしてください。保険に付帯のセカンドオピニオンサービスも強い味方となります。
 

田中 美子(たなか よしこ )

CFP®認定者

1級ファイナンシャル・

プランニング技能士

TLC(トータルライフコンサルタント)副称号:生命保険協会認定FP

損害保険上級資格

DCプランナー2級

キャリアコンサルタント

公開日: 2025年04月24日 10:00