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あなたの3大疾病の保障は大丈夫?

厚生労働省「人口動態統計(確定数)」2016年をみると、万一のことが起こる原因は、病気が多く、死因のトップは「悪性新生物」で、亡くなった人の28.5%を占めています。次に多いのは「心疾患」で15.1%、「肺炎」9.1%、「脳血管疾患」8.4%、「老衰」7.1%と続いています。いわゆる3大疾病といわれる「悪性新生物」「心疾患」「脳血管疾患」の占める割合が約52%と高く保険会社もこれらの病気に備える保障を準備しています。

それではそもそも3大疾病とはどのようなものなのか、保険会社によって若干約款上の違いがあるのでご説明しておきましょう。まず、昔からよくいわれるのが「悪性新生物」「急性心筋梗塞」「脳卒中」ですが、最近では「悪性新生物」は同じですが、「急性心筋梗塞」の会社と「心疾患」の会社、「脳卒中」の会社と「脳血管疾患」の会社があります。違いは何かというと「急性心筋梗塞」「脳卒中」よりも「心疾患」「脳血管疾患」の方が幅広く保障してくれるということです。

厚生労働省「平成26年患者調査(傷病分類編)」によると、「心疾患」の患者さん(高血圧性のものを除く)172万人のうち、狭心症が58.4万人と最も多く、次に不整脈の52.3万人、心不全の30.2万人、「急性心筋梗塞」は3.3万人で「急性心筋梗塞」の割合が低いことがおわかり頂けると思います。また「脳血管疾患」の患者さん117.9万人のうち、脳梗塞が86万人と一番多く、次に脳内出血13.8万人、くも膜下出血4.2万人でこの3つの病気を「脳卒中」と言いますが、「脳血管疾患」のほとんどを占めています。3大疾病のうち、死因第2位である「心疾患」は、「急性心筋梗塞」の割合が少ないのに、生命保険の3大疾病では「急性心筋梗塞」じゃないと保障の対象とならない保険が多いのです。また死因第4位の「脳血管疾患」は「脳卒中」の範囲となる病気が多いのでほとんどカバーされているのがわかります。
最近になって、「急性心筋梗塞」では狭すぎるため、「心疾患」として保障範囲を広くした保険会社が増えてきました。また「急性心筋梗塞」という狭い範囲ではありますが、1日入院したら保障される、又は所定の手術を受けると保障されるという会社、同じく「脳血管疾患」ではなく「脳卒中」でも同じように1日入院や所定の手術で保障してくれる会社が増えてきました。

過去に心筋症を発病して入院し難病指定され今も通院されているお客様がいます。その方の3大疾病保障は保険料免除という特約でした。「急性心筋梗塞・脳卒中発病後60日経過後に後遺症が残ったと医師により診断された場合」という条件でしたので、残念ながら該当しませんでした。お客様にしてみたら、難病指定され心臓に負担がかかるような仕事や運動はできないわけですから、該当するものと思われたと思います。その時「急性心筋梗塞」では狭い保障だなと実感しました。まだ35歳で小さいお子様3人いらっしゃることですし、逆に命を落とすかもしれない「急性心筋梗塞」ではなくてよかったとご家族はホッとしたようでした。通院しながらでも元気に仕事にいかれているので安堵しています。丁度その少しあと位に、入院日数や所定の手術などの条件はありますが「急性心筋梗塞」から「心疾患」に幅を広げた新商品を保険会社が発売し始めて、この条件だったら保険事由に該当したのにと思ったことでした。

それ以降、3大疾病保障を考える場合には、上記の違いを納得いくまでアドバイスしています。保障の幅が広くなり該当する条件が緩いほど安心はできますが保険料は少し高くなります。保障の幅が広くて少し高くてもいいか、狭くても1日入院や手術で該当するなら安い方がいいか、お客様の考えや価値感もありますので、情報提供をしっかりしていく事でお客様も判断しやすいと思います。あなたの3大疾病の保障、必ず該当する条件をご確認ください。
田中 美子(たなか よしこ )
AFP ファイナンシャル・プランナー
2級ファイナンシャル・
プランニング技能士
TLC(トータルライフコンサルタント)副称号:生命保険協会認定FP
損害保険上級資格
DCプランナー2級
キャリアコンサルタント
 
公開日: 2018年03月29日 10:00